平成29年度 町政施政方針|福島県南会津町

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平成29年度 町政施政方針

平成29年度 町政施政方針

はじめに

 本日ここに、平成29年度一般会計予算をはじめとする重要案件のご審議をお願いするにあたり、私の町政運営に対する所信と重点施策をご説明し、議員各位並びに町民の皆様のご理解と、より一層のご協力をお願い申し上げます。

 昨年3月19日には南会津町合併10周年記念式典を開催し、明るい未来に向かって新たな一歩を踏み出していくことを、町民の皆様とともに確認したところであります。合併後の10年間は、地域間の融和や均衡ある地域振興を目指してまいりましたが、これからは、合併特例による財政優遇措置の期間が終了し厳しい財政状況での行政運営が求められますので、事業等の選択と集中を行ってまいります。しかしながら、住民生活に必要な事業、特に、地域経済に活気を取り戻すための商工業や農林業等の分野への支援、雇用対策、町民の所得向上、人口減少対策に関しては、迅速果断に対応してまいります。

 長年待ち望んできました交通体系の充実に関しては、着実な進展が確認できるようになってまいりました。国道289号田島バイパスの整備が進むとともに、国道352号中山峠町村合併支援道路については銀竜橋が対面通行可能となりました。さらには、会津縦貫南道路については、国道121号下郷田島バイパスの5工区で中心杭設置式が行われるなど、本町への道路延伸が目に見える形で動き出してまいりました。また、栃木県では、国道121号の高規格化による道路改修計画も検討されております。一方、鉄道では、東武鉄道株式会社の新型特急リバティ会津が、本年4月21日から会津田島駅に乗り入れすることが決定しました。このように、基幹道路や鉄道を取り巻く環境が大きく変化し、本町はこの数年間でさらに飛躍する時期を迎えることになります。
 さらに、福島大学が平成31年4月に開設を予定している食農学類との連携が実現すれば、農林業の振興や田島高等学校の魅力化さらには地域経済の活性化に大きな効果が期待されます。

 このような新しい潮目を着実に捉え、本町のさらなる発展に尽力してまいる覚悟であり、第2次南会津町総合振興計画のまちの将来像である「互いを思いやり、人と自然がやさしさに包まれた、安心と信頼のまち」の実現を目指し、町民と行政との協働による未来につながる新たなまちづくりに邁進してまいりますので、ご理解とご支援をお願い申し上げます。

 

I 平成29年度の町政運営にかかる基本的な考え方

 平成29年度は、総合振興計画に基づく3つの重点施策と個別事項として2つの重点施策を町政運営の柱に掲げ、新しい潮流を創造し地域活力の向上を目指してまいります。
 総合振興計画上の重点施策としては、「働く環境の充実と町民所得の向上」、「福祉と子育て環境の充実」、「地域力の向上」の3項目を、さらに、個別事項として、「東武鉄道新型特急の会津田島駅乗り入れへの対応」と「関東・東北豪雨災害からの着実な復興」の2項目を選定いたしました。
 また、昨年3月に策定いたしました「南会津町まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げた各種施策を実現することで、「南会津人を育む」、「子育てを支える環境を育む」、「生活の土台を育む」、「暮らしの力を育む」という基本目標が達成できるよう、職員と一丸になって尽力してまいります。
 新年度は、平成27年度から建設工事に着手してまいりました新しい庁舎が完成し、新庁舎で業務を開始する記念すべき年でもあります。中心市街地のシンボル的な建物として、また、防災拠点としてはもちろんのこと、障がい者雇用を促進するためのスペースや協働のスペースも設けておりますので、町民の皆様に親しんでいただける施設となるように、皆様とともに魂を吹き込んでまいります。

 

II 平成29年度予算編成にあたって

 続きまして、平成29年度予算編成について申し述べます。

 日本政府は、アベノミクスによる施策の実施により、GDPが名目、実質ともに増加し、雇用・所得環境についても着実に改善し、経済の好循環が生まれているとしています。また、海外経済の不確実性や、金融資本市場の変動の影響等に留意しつつ、アベノミクスの成果を十分に実感できていない地域の隅々まで効果を波及させ、生まれ始めた経済の好循環を腰折れさせることのないように、施策を実施していくこととしています。
 このような中、一億総活躍社会の実現のための子育てや介護、成長戦略の鍵となる研究開発など重要な政策課題に必要な措置を講じるものとして、国の平成29年度当初予算が編成されたところであります。

 総務省が1月に発表した平成29年度地方財政計画においては、歳出総額は昨年から1.0%増となっており、一般財源総額についても0.7%増と昨年を上回る額を確保したとしています。一方で、本町の財政運営に大きく影響を及ぼす地方交付税については、地方税収等の伸びにより昨年を2.2%下回る16兆3,298億円とされており、厳しい状況となることが予想されています。
 このような状況の中にあって、現在の本町の財政状況は、行政改革大綱に基づく定数管理や内部管理経費の削減、地方債発行の適正な管理などにより、財政健全化判断比率は安定した状況を保っております。しかし、普通交付税の合併算定替の終了により一般財源が減少する非常に厳しい時期に入っており、さらに、公共施設の老朽化による維持管理経費等の増加が町財政を圧迫することが予想されることから、創意工夫による事務事業のスリム化が喫緊の課題になっております。

 こうした状況にあっても、人口減少と少子高齢化社会に向けての取組など、多様化する行政課題に的確に対応することが必要であると考えております。このようなことから平成29年度当初予算編成においては、「新しい潮流を創造し地域活力の向上を目指す!」をスローガンに掲げ、前段に申し述べましたとおり5つの重点施策を掲げるとともに、「南会津町まち・ひと・しごと創生総合戦略」を実現するための事業も含め、限りある財源の効果的な配分に努めたところであります。

 これらの結果、一般会計では、財政健全化に配慮しつつ、選択と集中による事業の重点選別に努めたことにより、平成28年度当初予算に対し9.2%の減となる、125億8,100万円を計上いたしました。
 また、特別会計は5会計で51億3,810万円、公営企業会計は1会計で、13億6,323万3千円、全会計では、190億8,233万3千円の予算規模としたところであります。

 

III 平成29年度主要施策の概要

 それでは、重点施策及び主要な施策について、南会津町総合振興計画に位置付けられている目標の柱の順序により、ご説明申し上げます。

 

「恵まれた自然環境と調和した生活空間の創造」

 はじめに、自然環境と調和の取れた生活環境の整備について申し述べます。

 生活排水対策では、公共下水道田島処理区行司地区及び特定環境保全公共下水道南郷処理区木伏地区の管路整備を中心に事業を継続し、終末処理場の老朽化に対応するため田島都市環境センターと南郷浄化センターの長寿命化対策に取り組んでまいります。農業集落排水施設では、7処理施設について機能診断に基づき、最適整備構想を策定し、今後の適正管理に向けた取組を進めてまいります。
 水道事業では、水道事業の効率的な運営を目的として、簡易水道事業と上水道事業を統合し、経営基盤の強化を目指してまいります。工事では、南郷・中部地区・田部長野・荒海の各施設の更新事業及び遠隔監視システムの構築を行ってまいります。また、行司地区・塩江地区・高野地区において配水設備拡張事業に取り組んでまいります。さらに、施設改修として、渇水期でも安定した水道水が供給できるよう、新たに第1水源地造成事業に着手するとともに、新町地区の護摩山配水池の耐震化に向けた調査も実施してまいります。

 道路網の整備では、社会資本整備総合交付金事業により、新規に新後庵線の整備に着手するとともに、大新田1号線をはじめ4路線の道路改良及び橋梁長寿命化点検100橋を実施し、安全で安心できるライフラインを構築してまいります。
 除雪対策としては、老朽化している舘岩地域の除雪機械1台を更新し、降雪期における生活道路の確保に努めてまいります。さらに、除雪ネットワーク事業による除雪支援を継続するとともに、集落応援交付金を活用した集落内における相互扶助体制との連携など、行政と地域が一体となり、高齢者が日々安心して暮らせる生活環境の確保に努めてまいります。
 会津田島駅周辺地区土地区画整理事業では、国道289号田島バイパス及び国道121号鎌倉崎工区の整備として道路拡幅改良工事を進め、早期開通を目指すとともに、区画道路の築造と街区造成工事により、土地の高度利用と住みやすい市街地の形成に努めてまいります。
 高規格道路に関しては、会津縦貫南道路5工区の早期着工に向けた取組を強化してまいります。一方、栃木西部・会津南道路については、日光・会津・上州歴史街道対流圏の強化プロジェクトチームによるシンポジウムが開催されるなど、栃木県及び日光市と連携した具体的な活動が始まりました。さらに、県道黒磯田島線については、国道昇格を視野に入れながら栃木県と福島県境のトンネル化等の道路整備が進展するよう、期成同盟会等の活動組織と連携した要望活動を積極的に展開してまいります。

 住宅対策では、老朽化が著しい寺前団地に1棟2戸の木造住宅の建替を行い、入居者の住環境向上と地域木材使用による地場産業の活性化を図ってまいります。
 空き家対策に関しては、除却支援事業を継続するとともに、所有者による適正な空き家管理の啓発に努めてまいります。また、田舎暮らしを希望する都市住民からの問い合わせが多い空き家バンク制度に関しては、賃貸や売買として成約する物件も出てきていることから、引き続き空き家の所有者に空き家バンクへの登録を促してまいります。さらに、新年度において空き家等対策計画を策定し、適正に管理されない空き家等の抑止や空き家の有効利用に努めてまいります。

 景観対策では、本町ならではの景観の保全と形成に努めるため、景観形成推進地区や景観形成重点地区の指定に向けて取り組んでまいります。また、景観重要建造物及び景観重要樹木の指定に関しても取組を進め、景観計画に基づき良好な景観の創出を図ってまいります。

 

「就労対策・企業支援と戦略的な取り組みによる町民所得の向上」

 次に、重点施策として位置付けた1点目の「働く環境の充実と町民所得の向上」と、個別事項の重点施策として位置付けた「東武鉄道新型特急の会津田島駅乗り入れへの対応」に関する取組を含め、各産業の振興について申し述べます。

 地域の基幹産業である農業においては、国・県の支援制度に町独自の支援事業を組み合わせ、新規就農における初期の負担軽減対策をはじめ、中山間高冷地域の立地条件を生かした野菜や花卉などの生産性向上と農家経営の安定化を図ってまいります。また、冬期間の農家所得の確保を図るため、特用林産物等の生産確立に向けた調査・研究に取り組んでまいります。さらに、空き家バンクなどとの施策間連携を図り、U・Iターンによる農業後継者の確保に努めてまいります。
 環太平洋パートナーシップ協定の動向が混沌としている情勢ですが、農業政策は大きな転換期を迎えており、特に米政策については、平成30年度から国による生産調整の廃止と経営所得安定対策の米直接支払交付金の廃止、さらには米消費の落ち込みなどによる米価の下落など、稲作農家を取り巻く環境は、今後益々厳しくなってくることが予想されます。このようなことから、本町における稲作経営の長期安定化を図るため、国の新たな事業である産地パワーアップ事業を導入し、生産コスト低減や規模拡大等を促進し、稲作農家への支援策を強化してまいります。
 今年度、南郷トマトが平成6年以来22年ぶりに販売額が10億円を超えたという明るいニュースに接しましたが、引き続き、町重点振興作物であるトマト・アスパラガス・花卉の栽培支援を強化し、本町の地域特性を生かした付加価値の高い農産物の生産拡大と農家所得の向上を図ってまいります。
 一方、農業基盤の整備においては、県営中山間地域総合整備事業及び農地耕作条件改善事業等により、農業用用排水施設や農道整備を行うとともに、田部地区のほ場整備に関しては、経営体育成基盤整備事業により円滑な事業推進に努めてまいります。
 なお、ほ場整備については、現在のところ、田島地域の桧沢地区や荒海地区からも要望が上がっており、県・町の担当者が地区に出向いて説明会を開催するなど、ほ場整備の気運が高まっております。今後の町農業の大きな課題である担い手の確保と規模拡大による農業経営の長期安定化を図るため、積極的にほ場整備に取り組んでまいります。

 林業に関する施策としては、本町の広大な森林資源を生かしながら、平成24年度からスタートした森のエネルギー創出事業を継続し、より一層の間伐材の利活用と木質バイオマスエネルギーの推進を図り、地産地消とあわせ循環型社会の構築に努めてまいります。また、林産業人材育成支援事業及びグリーンワーカー育成支援事業を継続し、林業経営体の後継者や林業従事者の担い手育成に努めてまいります。
 林業の出口対策としては、今後、建築材等として期待されている森林認証材の積極的な活用や木製品の新たな商品開発など、林業全体の川上から川下まで一貫した本町の特色ある林業成長産業化の確立を目指し、地域林業の中核となる森林組合を中心に一層推進してまいります。さらに、東京オリンピック・パラリンピック関連施設への町産森林認証材の活用を目指し、関係機関や団体への要請活動を行うなど、本町が有する豊富な森林資源の新たな活用策を探ってまいります。
 また、森林資源は人と自然の共生にも重要な役割を果たしていることから、本町ならではの美しい景観づくりの一環として新たにヤマザクラ一万本の里づくり事業に着手し、地域の魅力アップを目指してまいります。
 一方、野生鳥獣による農作物への被害防止については、急務である有害鳥獣捕獲隊の人材育成を進めるとともに、被害防除対策への支援、さらには有害鳥獣の個体数調整を強化し、被害の縮減に取り組んでまいります。

 企業への支援や就労対策については、新規事業として取り組んできた製造業の設備投資支援を目的とした地域活力創生事業を継続して実施し、雇用の安定確保を図ってまいります。また、町民の創業を支援するビジネスチャレンジ支援事業、企業の人材育成支援などの事業を継続し、地域産業の競争力の強化と新たな雇用の確保に努めてまいります。
 さらに、地元企業と新規高卒者とのマッチングを促進する合同企業説明会の開催や、新規学卒者及びU・Iターン者に対する支援制度として導入した若者定住応援プログラム交付金事業を継続して実施してまいります。

 商業の振興に関しては、プレミアム商品券発行への支援を継続し、消費喚起による地域経済の活性化に努めてまいります。また、商業機能の活性化と中心市街地の賑わいづくりを進めるため、まちなか楽座を拠点としながら市街地活性化ビジョンの策定を柱とする、まちなか賑わい創出拠点整備事業を実施してまいります。

 東武鉄道新型特急乗り入れへの対応としては、南会津ぶらり旅シャトルタクシー事業や観光循環バス運行事業を新たに実施し、来訪者の2次交通の充実に寄与してまいります。また、会津若松市や下郷町等と連携しインバウンド誘客事業にも取り組むなど、東京オリンピック・パラリンピックを見据えた外国人の誘客対策への足掛かりを付けてまいります。一方、本町への誘客活動としては、首都圏でのPRキャラバンなど観光物産協会等と連携した取組を実施し、新型特急乗り入れへの対応を進めてまいります。
 東日本大震災・福島第一原子力発電所事故により大きな打撃を受けた、観光・宿泊事業の活性化に関しては、教育旅行の誘致や農家民泊の拡大さらには合宿誘致事業を積極的に展開するとともに、本町の地域資源の活用とイベント等を効果的に組み合わせ、観光交流人口の拡大を目指してまいります。また、さいたま市の自然環境学習の場が舘岩地域に集約されることへの対応としては、さいたま市立舘岩少年自然の家での受け入れを核としながら、平成28年度事業として創設された国の地方創生拠点整備交付金の交付対象事業の採択を受け、たかつえスキー場の第2レストハウスの整備に着手することといたしましたので、受入体制の充実が相乗効果となって表れるよう関係者との連携を強化してまいります。
 さらには、伊南地域においてスポーツツーリズムを推進するとともに、昨年12月25日にオープンした伊南クロスカントリーコースの効果的な利活用を図ってまいります。また、老朽化している小豆温泉窓明の湯に関しては、駒の茶屋の跡地に新たな温泉施設の整備を行い、地域住民の憩いの場や山岳観光者等への癒しの場となるよう魅力アップを目指してまいります。

 

「誰もが健やかで安心して生活できる環境づくり」

 次に、重点施策として位置付けた2点目の「福祉と子育て環境の充実」に関する取組を含め、誰もが健やかで安心して生活できる環境を目指すための、保健・医療・福祉サービス、防犯・防災体制、公共交通の充実について申し述べます。

 県立南会津病院は、救急告示病院・へき地医療拠点病院として、南会津地方にとってなくてはならない医療の中核を担う機関でありますが、医師や看護師の確保、診療科目の充実が大きな課題となっております。本町といたしましても、引き続き、郡内各町村と連携を図りながら、急務となっている産婦人科医や精神科医の確保さらには眼科や麻酔科の常勤医師配置の実現に向けて、県への働きかけを強化してまいります。
 また、恒常的に不足している看護師・介護士確保のための人材研修や新たに有資格者等の確保につなげる帰郷支援事業を継続し、これまでの看護資格取得奨学金貸与事業とあわせて人材の確保に努めてまいります。

 健康づくりの推進では、生活習慣病の早期発見、早期予防に努めるとともに、健診結果に基づき重症化予防のための個別指導に取り組むほか、地域の食材を生かした食育や食生活習慣の改善指導を行うなど、対象者への継続的な支援や健康増進につながる運動を奨励しながら、引き続き「元気で長寿」のまちづくりを進めてまいります。

 高齢者福祉の充実では、配食サービスや緊急通報サービスなどを柱とする在宅高齢者への支援、高齢者見守り支援事業による一人暮らし高齢者世帯への訪問活動に取り組むなど多様なニーズに応え、高齢者在宅福祉の向上に努めてまいります。また、集落を中心とした地域との連携が重要となることから、地域支え合い活動を推進し安心して生活できる環境を整えてまいります。
 さらに、まちなか高齢者居場所づくり交流サロン運営事業を継続し、中心市街地在住の高齢者が生き生きと暮らせるよう介護予防、認知症対策、生きがいづくりに取り組んでまいります。また、元気でゆうゆう温泉等利用助成事業などによる健康づくりを推進し、健康寿命の向上につなげながら、住み慣れた地域で生きがいを持って生活できる環境づくりに努めてまいります。
 高齢化の進展とともに、介護保険サービスの受給者数が年々増える傾向にあることから、保健師の専任体制による介護予防事業の充実や生活支援コーディネーターの配置、サービスの構築、担い手対策などを進め、健康維持と地域包括ケアシステムの構築に努めてまいります。特に、地域課題である生活援助については、引き続き生活支援体制整備協議体で協議を行ってまいりますが、南会津町社会福祉協議会や南会津町シルバー人材センターなどの民間の力を活用し、新たな取組ができるよう連携を図ってまいります。また、新たな支援体制として、認知症の人やその家族に早期に係わる認知症初期支援チームを立ち上げ、早期発見・早期対応が図られるよう認知症対策の充実を目指してまいります。

 障がい者福祉の充実では、障がい者や障がい児が自立した生活ができるよう、障がい福祉サービス、自立支援事業、地域生活支援事業を柱に、適切なサービスの提供を行ってまいります。また、みなみあいづ障がい者相談センターにおける相談支援体制の充実を図るとともに、地域社会の障がい者等に対する理解を深めてもらうことが、障がい者の社会参加や社会復帰の向上につながることから、自立支援協議会を窓口としながら啓発活動の強化に努めてまいります。

 子育て環境の充実は少子化対策の重要な柱であることから、18歳以下の子ども医療費の全額助成、5歳児の保育料・幼稚園授業料の無料化、子育て支援枠として拡大したプレミアム商品券の発行、放課後児童対策事業、放課後子ども教室、子育てを総合的に支援する子育て環境づくり事業、子育てスマイル支援事業により、子育て世帯の支援を切れ目なく継続してまいります。また、新たな子育て支援策として、南会津町子育て世代包括支援センターを開設し、妊娠期から学童期までの子育て世代に対するワンストップの相談体制を構築してまいります。
 児童の保育に関しては、町立の田部原保育所、南郷保育所、伊南保育所、社会福祉協議会が運営しているびわのかげ保育所さらには私立の田島保育園の5施設において提供されている保育サービスを継続するとともに、舘岩幼稚園及び暁の星幼稚園と連携を図り通園する幼児の心身の発達支援を行うなど、子育て世代のニーズにあったサービスの向上が図られるよう、保護者の立場に立って対応してまいります。

 妊娠・出産への支援については、妊産婦の健康診査費や不妊不育治療費の助成を継続するとともに、新たに妊産婦の保険適用医療費の一部負担金を全額助成する制度を設け、安心して妊娠・出産ができる環境を充実してまいります。

 人口減少対策については、婚姻が整い子供が生まれるという自然な流れをつくることが重要であります。
 本町では、今年度から縁結びサポーター制度を導入し結婚支援事業に着手しましたが、新年度においては、新たな施策として結婚新生活支援事業補助制度を導入するなど、結婚に関する支援体制の充実に努めてまいります。
 また、出会いの機会の充実を図るために、若者に出会いの場を提供する出逢いフェスタ事業を継続して実施してまいります。

 防犯・防災体制の充実については、地域防災計画に基づき南会津町防災訓練を実施するとともに、各集落単位での災害時避難計画策定を推進してまいります。また、消防車両整備計画に基づき、舘岩支団と伊南支団の小型動力ポンプ付積載車2台を更新し、非常備消防力の充実に努めてまいります。

 公共交通対策では、長年の要望活動が実り、東武鉄道株式会社の新型特急が乗り換えなしで会津田島駅まで運行されることになりました。本町をはじめ会津地方にとって利便性が向上しますので、関係市町村や関係団体と連携を図りながら、利用促進に向けた取組を展開してまいります。また、会津鉄道株式会社及び野岩鉄道株式会社に対し、経営改善計画に基づく支援金の交付を継続して実施してまいります。
 さらに、生活バス路線への運行補助や地域乗合タクシーの運行を継続し、広大な面積を有する本町の住民生活の移動手段を確保してまいります。しかしながら、利用客の減少や増大する費用負担に対応するためには、抜本的な見直しが求められておりますので、運行形態を含め住民サービス向上と費用負担の観点から、本町にふさわしい生活交通体系の在り方について調査・研究を行ってまいります。

 

「次世代の地域を担う人材の育成」

 次に、次世代の地域を担う人材の育成、教育・文化の振興策について申し述べます。

 人材の育成では、南会津町教育大綱の理念「次世代の地域を担う人材の育成」及び南会津町まち・ひと・しごと創生総合戦略に掲げた「南会津人を育む」を今後も重要な施策と捉え、今年度から事業に着手した南会津ワカモノ会議事業及び地域づくり人財育成事業を継続して実施してまいります。

 学校教育の分野では、英語が話せる人材の育成を視野に入れ、小学校での英語ライブ授業や高等学校での異文化体験研修を新たに実施するとともに、中高生海外交流事業や中学校での学習サポート事業を継続し、小学校、中学校、高等学校の各発育段階に応じた英語教育を推進し、広い視野と国際感覚を身に付けた将来を担う児童・生徒の育成に取り組んでまいります。
 また、他地域の自然・文化に触れ、同世代との交流を深めることを目的としている小学生農山漁村交流事業の継続や、高度化する情報社会に対応できる児童・生徒の情報活用能力を養うため、ICT活用教育の充実に向けた取組を行ってまいります。
 さらには、児童・生徒が学校や日常生活で抱える悩みなどのケアを行うため、引き続きスクールソーシャルワーカー及び特別支援教育支援員を配置し、学校と家庭さらには地域との連携を深めながら支援してまいります。
 桧沢地区における中学校の教育環境整備に関しては、来る4月1日に田島中学校と檜沢中学校が統合され、新たな教育環境のもと中学校教育が開始されます。これに伴い、スクールバスの運行をはじめ生徒及び保護者が困惑することがないよう、その対応に万全を期してまいります。

 現在、福島県学校教育審議会では人口減少を見据えた今後の高等学校の在り方について検討が行われており、県立高等学校改革の基本方針が示されようとしております。過疎・中山間地域においては、例外的な取り扱いが盛り込まれるという情報ではありますが、本町に存在する田島高等学校及び南会津高等学校についても、学校の存続に関わってくる重要な問題であると認識しております。
 田島高等学校及び南会津高等学校では、それぞれの特性を生かした学校運営がなされておりますが、生徒数が減少する中で厳しい状況下にあります。本町ならではの学習プログラムの検討や学力向上対策など、学校、地域、関係機関と連携を図り、高等学校の運営環境や魅力の向上に取り組んでまいります。

 生涯学習の充実では、子ども教室の充実や家庭教育講座などの実施により、子育て環境の充実と地域教育力の向上を図ってまいります。また、町民ニーズに合った文化講演会や公民館講座の開催、スポーツ活動への支援等を行い、町民の心の豊かさや充実感向上のための取組を推進してまいります。
 芸術文化の振興、貴重な自然遺産と文化の保存・伝承については、文化ホールにおける質の高い公演事業や町民参加型の芸術文化活動を支援するとともに、関係団体と連携を図りながら、田島祇園祭屋台歌舞伎をはじめ先人から受け継がれてきたかけがえのない民俗芸能や伝統・文化の保存伝承に努めてまいります。また、文化ホールは施設整備後14年を経過しておりますので、新年度から計画的に施設内の設備等の更新及び修繕を実施してまいります。
 天然記念物「駒止湿原」の保護については、湿原へのニホンジカの侵入が増加しており、また豪雨災害の影響により人が湿原に入らないことで貴重な高山植物に対する食害が増大していることから、生態系全般への影響が危惧されています。これらは重大な問題であることから、モニタリング等の調査を実施しニホンジカの生息状況の適切な把握に努め、防護柵の設置について検討するとともに、国・県など関係機関と連携した広域的な捕獲の強化に取り組んでまいります。また、前沢曲家集落に関しては、修理・修景事業を実施するほか、保存計画に掲げられている取組を推進してまいります。

 

「町民と行政との協働によるまちづくりと未来を拓く行政経営」

 次に、重点施策として位置付けた3点目の「地域力の向上」に関する取組を含め、町民と行政との協働、未来を拓く行政経営について申し述べます。

 人口減少対策の重要事項と位置付けております定住対策プロジェクトに関しては、仕事と住まいがキーポイントとなることから、就農等による職の創出や空き家バンク制度を活用した住居の斡旋等に努めてまいります。また、首都圏における相談会での情報提供や移住から定住につなげるような相談等の支援体制の充実、さらには地域おこし協力隊制度を活用しながら、U・Iターン者の確保に向けた取組を進めてまいります。
 さらに、今年度から事業を開始したふるさと同窓会支援事業や帰郷支援事業を継続し、積極的に町の情報発信を行いながらUターンへの誘導を図ってまいります。

 高齢化が加速する中で集落の現状と将来予測を共有し、今後の地域づくりの方向性を明らかにしていくことが重要であります。集落対策として、集落支援員制度や集落担当職員配置制度及び地域おこし協力隊制度さらには集落応援交付金事業等との連携を図り、町民と行政の協働による集落の活性化に取り組んでまいります。

 市町村合併に伴う財政措置の縮減や限られた職員数の中で、町民の負託に応え効率的なまちづくりを推進するためには、施策・事業の有効性について検証し、的確に判断していくことが求められます。これまで進めてまいりました行政評価制度を効果的に運用し、行政経営改革の定着を図ってまいります。また、行政改革大綱に基づく改革を着実に実行し、進行管理を行いながら効率的・効果的な行財政運営を進めてまいります。

 町税及び各種使用料等の滞納対策については、庁内滞納整理対策委員会を中心とする情報の共有化と各課連携により、その成果が表れてきております。引き続き休日納税相談の実施など徴収・相談体制の強化に努め、きめ細かな対応と未納者との信頼関係を構築しながら徴収率向上を目指してまいります。また、家屋外観調査については新年度の実施箇所を舘岩地域とし、課税客体の的確な把握に努めてまいります。

 役場新庁舎建設事業については、引き渡しを受けた後、本年5月の連休明けから新庁舎での業務開始を予定しておりましたが、残念ながら工事完了時期が数か月ずれ込む見込みとなりました。今後の工事完了時期を見極めながら新庁舎の開庁日を決定してまいります。なお、新年度で施工する関連工事は、現庁舎の解体、融雪用地中熱利用システム整備等を予定しております。
 また、老朽化が進んでいる南郷総合センターに関しては、新たにエレベーターを設置するほか、空調設備やトイレ等の大規模改修を実施し、高齢者等に配慮された町民会館としての機能充実を図ってまいります。
 さらに、公共施設等総合管理計画については、平成29年度以降、施設ごとに再配置、統廃合、複合化といった今後の施設の在り方を定める個別計画の策定作業を進め、人口規模や財政規模に見合った公共施設の管理方針を定めてまいります。

 

「関東・東北豪雨災害からの着実な復興」

 最後に、個別事項の重点施策として位置付けた「関東・東北豪雨災害からの着実な復興」について申し述べます。

 平成27年9月に発生した関東・東北豪雨により、本町では、町道、橋梁、林道、農地・農業用施設、水道施設、スキー場をはじめとする観光施設等が甚大な被害を受けました。平成27年度には応急復旧に入り、関係機関や事業者の協力をいただきながら本格的な災害復旧に移行し、昨年10月21日には舘岩川・桧沢川改良復旧事業合同安全祈願祭・起工式が行われるなど、各方面のご協力により田島地域及び舘岩地域の災害復旧事業も着実に進展しております。
 新年度は、町道中山線等の道路災害復旧など、公共土木施設の復旧工事を継続して実施してまいります。また、林道、農地・農業用施設、水道施設、だいくらスキー場の災害復旧工事を実施し、生産活動や住民生活さらには観光交流面への影響が生じないよう対策を講じてまいります。
 特に、駒止湿原への進入路となる町道東106号線については、田島側と南郷側の両方から復旧工事を進め、早期開通を目指してまいります。なお、湿原への来訪者に対応するため、土曜日、日曜日、祝祭日に限り南郷側から指定車両のみ駒止湿原に入山できる措置を講じてまいります。
 このように関係機関との連携を密にし、新年度は「災害の復旧から復興へ」を合言葉に、引き続き切れ目のない予算措置により被災箇所への対応を進め、災害に強いまちづくりに尽力してまいります。

 

むすびに

 以上、平成29年度の町政運営の基本方針と主要施策の概要について申し述べました。

 私は、町民の皆様との対話を重視し、より多くの町民の皆様の声が町政に反映され、町民と行政が信頼で結ばれたまちづくりを進めることが極めて重要であると認識しております。私の政治信条である「公平・公正・誠実・思いやり」を貫き、「町民の皆様が主人公となり、住んで良かった町、住みたい町を創る」ため、皆様とともに総力を注いでまいります。
 引き続き、町民の皆様、議員各位におかれましては、町政運営に対するご理解とご協力、ご支援を賜りますよう重ねてお願い申し上げまして、私の所信とさせていただきます。


南会津町長 大宅 宗吉

 




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