平成30年度 町政施政方針

平成30年度 町政施政方針

はじめに

 本日ここに、平成30年度一般会計予算をはじめとする重要案件のご審議をお願いするにあたり、私の町政運営に対する所信と重点施策をご説明し、議員各位並びに町民の皆さまのご理解と、より一層のご協力をお願い申し上げます。

 平成22年4月に私が町長に就任して以来、この4月をもって2期8年の任期が満了することとなります。この間、常に初心を忘れることなく、政治信念であります「公平、公正、誠実、思いやり」を基本として、安心と信頼のまちづくりに全力を傾注してまいったところでございます。

 議員各位並びに町民の皆さま、関係機関等の皆さまの温かいご支援、ご協力に支えられ、町政を進展できましたことを改めて感謝申し上げます。

 昨年7月には、地元の力を結集し、中心市街地のシンボル的な建築物として、防災拠点はもちろんのこと、障がい者の雇用を促進するためのスペースを配置した役場新庁舎が開庁しました。この庁舎を核として住民と行政が力をあわせ、協働のまちづくりに向けた各種施策を進めてまいりました。
 また、昨年4月には、浅草駅から会津田島駅を特急一本で結ぶ、特急リバティ会津の運行が開始されたほか、道路網の整備についても、南会津地方にとっての悲願でもあります会津縦貫南道路、下郷田島バイパスの5工区で中心杭が設置されるなど、長年待ち望んできました交通体系の充実に関して、着実な進展が見られるようになってまいりました。平成30年度には下郷田島バイパス本町工区で、工事着工となる見込みであり、また、本町が起点となり栃木県とつながる、栃木西部・会津南道路も栃木県側で事業が動き出すなど、鉄道や基幹道路を取り巻く環境が大きく変化しており、今後の交流の新たな展開が期待されます。

 このような新たな潮流を的確にとらえ、山積する行政課題に総力を挙げて取り組みながら、町民の皆さまとともに手を携え、未来につながる新たなまちづくりに邁進してまいりますので、ご理解とご支援をお願い申し上げます。

 

I 平成30年度の町政運営にかかる基本的な考え方

 町政運営にあたりましては、町民の皆さまの声を町政運営に反映させるために、「ようこそ町長室へ」をはじめとして「タウンミーティング・町政懇談会」や各種団体との対話など様々な機会を大切にしてきました。
 また、近年多発する自然災害に対しては、迅速かつ的確に対応することで、安全と安心の確保に努め、常に町民生活の安定と向上を基本とし、町民の皆さまから信頼される行政を目指してきました。
 平成30年度におきましても、この基本姿勢を忘れることなく町政運営に努め、なお一層住みよいまちづくりを目指し、町民生活向上のため全力で取り組んでまいります。

 昨年、町民の皆さまが主役となった地域社会を確立し、町民と行政が協力し合って協働のまちづくりに取り組むための「みんなの力は地域の力、みんなで創る協働のまちづくり宣言」、豊かな自然環境を未来永劫伝承していくための「移りゆく四季、人と自然を未来につなぐまちづくり宣言」の2つのまちづくり宣言を行いました。これらのまちづくり宣言を着実に推進していくことが、町民が主役となり住みよいまちづくり、さらには町の目指す総合振興計画の将来像「互いを思いやり、人と自然がやさしさに包まれた、安心と信頼のまち」の実現に繋がるものであります。限られた財源の中で、将来像が実現できるよう事業検証を行い、効果的な事業に取り組んでまいります。
 また、総合振興計画に基づく3つの重点施策、「働く環境の充実と町民所得の向上」、「福祉と子育て環境の充実」、「地域力の向上」と、個別事項として「社会資本整備の充実」、「安全安心の地域づくりへ向けた防災体制の充実」を町政運営の柱に掲げ、職員と一丸となって総力を注いでまいります。

 

II 平成30年度予算編成にあたって

 続きまして、平成30年度予算編成について申し述べます。

 我が国の経済は、アベノミクスによる施策の実施により、GDPが名目、実質ともに増加し、企業収益が過去最高を記録するとともに、就業者数の増加や賃上げなど、雇用・所得環境が大きく改善され、経済の好循環が実現しつつあると言われております。
 政府は、今後も引き続き、「経済再生なくして財政健全化なし」を基本に掲げ、誰もが生きがいを持って充実した生活を送ることができる「一億総活躍社会の実現」へ向け、アベノミクスの成果を十分に実感できていない地域の隅々までその効果を波及させ、経済の好循環をさらに加速させるように、施策を実施していくとしています。
 このような状況下において、金融政策に成長指向の財政政策をうまく組み合わせることに留意しながら、保育環境整備といった「人づくり革命」の推進や「生産性革命」の実現に向けた人材への投資、研究開発などの重要な政策課題に必要な措置を講じるものとして、国の平成30年度当初予算が編成されたところであります。

 総務省が本年2月に公表した「平成30年度地方財政計画」によると、歳出総額は昨年から0.9%の増、一般財源総額についても0.1%の増と、昨年を上回る額を確保したとされています。一方で、本町の財政運営に大きく影響を及ぼす地方交付税については、地方税収等の伸びにより昨年を2.0%下回る、16兆85億円とされており、厳しい状況となることが予想されます。
 このような状況の中にあって、現在の本町の財政状況は、町村合併以降、行政改革大綱に基づく定員管理による人件費や内部管理経費の削減、地方債発行の適正な管理などにより、財政健全化判断比率等の財政指標は安定した状況を保っておりますが、普通交付税の合併算定替終了に伴う一般財源の減少により、非常に厳しい時期に入ってきております。また、公共施設の老朽化による維持管理経費等の増加が今後の町財政を圧迫することが予想されることから、これまで以上に創意・工夫による事務事業のスリム化が喫緊の課題になっております。

 こうした状況にあっても、人口減少と少子高齢化社会に向けての取組など、多様化する行政課題に的確に対応することが必要であると考えております。このようなことから平成30年度当初予算編成においては、「ともに手を携え、みんなで目指そう、着実な地域活力の向上!」をスローガンに掲げ、前段に申し述べました3つの重点施策と2つの個別事項の実現に向けて、限りある財源の効果的な配分に努めたところであります。

 そのような中、一般会計につきましては、広域消防署新庁舎建設事業や伊南学校給食センター建設事業などの大規模事業が本格的に動き出すものの、財政健全化に配慮しつつ、将来を見据えた事務事業の重点選別に努めたことにより、歳出予算の縮減が図られた結果、予算総額は平成29年度当初予算と同額の125億8,100万円を計上いたしました。
 また、特別会計は5会計で、48億10万円、公営企業会計は1会計で、10億6,990万7千円、全会計では、184億5,100万8千円の予算規模としたところであります。

 

III 平成30年度主要施策の概要

 それでは、重点施策及び主要な施策について、南会津町総合振興計画に位置付けられている目標の柱の順序により、ご説明申し上げます。

 

「恵まれた自然環境と調和した生活空間の創造」

 はじめに、自然環境と調和の取れた生活環境の整備について申し述べます。

 生活排水対策では、公共用水域の水質保全及びトイレの水洗化による生活環境の向上を図るため、公共下水道田島処理区新町地区及び特定環境保全公共下水道南郷処理区木伏地区の管路整備を中心に事業を継続し、終末処理場の老朽化に対応するため田島都市環境センター・南郷浄化センターの長寿命化対策を引き続き取り組んでまいります。さらに、集合処理区域外の排水対策として、合併処理浄化槽設置のための支援を継続し、水洗化率の向上を推進してまいります。
 水道事業では、漏水事故などへ的確に対応するため、南郷・中部地区・田部長野・荒海の各施設の更新事業を継続して実施いたします。また、行司地区・高野地区において配水設備拡張事業に取り組んでまいります。さらに、渇水期でも安定した水道水が提供できるよう新たに田島第1水源地の改良工事を実施し、施設の強化を図り、水道水の安全で安定した供給に努めてまいります。

 自然環境保全については、自然資源を活用しつつ自然環境を保全し、次の世代に引き継ぐ責務があります。このため、環境施策の方向性を定めた南会津町環境基本計画の策定から10年が経過したことから、長期的な視点に立ち第二次計画の策定を行い、自然環境に対する意識の高揚に努めてまいります。

 道路網の整備では、社会資本整備総合交付金事業により、新規に庁舎東側に隣接する後原1号線の整備に着手するとともに、大新田1号線をはじめ、生活基盤である道路及び橋梁の改築・修繕工事を実施するほか、橋梁長寿命化点検を行い安全で安心なライフラインの構築に努めてまいります。また、除雪機械では、除雪機械更新計画に基づき老朽化した除雪機械を更新し、降雪期における生活道路の確保に努めてまいります。
 高規格道路については、工事着工が具体化してきた会津縦貫南道路5工区(国道121号下郷田島バイパス)、栃木県側で事業が動き出してきた栃木西部・会津南道路、さらには国道289号田島バイパスの延伸、国道121号鎌倉崎工区の道路拡幅改良の進展等、本町を取り巻く基幹道路の整備が着実に進んできております。これらの社会資本整備に対応した将来ビジョンを描き、持続可能なまちづくりに取り組んでまいります。
 会津田島駅周辺土地区画整理事業では、引き続き国道289号田島バイパスの早期開通を目指すとともに、区画道路の築造と街区造成工事により、土地の高度利用と住みよい市街地の形成に努めてまいります。

 住宅対策では、引き続き老朽化が著しい寺前団地に1棟2戸の木造住宅の建替を行い、入居者の住環境向上と地域木材使用による地場産業の活性化を図ってまいります。

 冬期間の除雪支援事業については、高齢者世帯等除雪支援事業を継続するとともに、集落内における相互扶助体制との連携など、行政と地域が一体となり、高齢者が日々安心して暮らせる生活環境の充実に努めてまいります。

 空き家対策に関しては、平成29年10月に策定した南会津町空家等対策計画に定める基本方針に従い、適正な管理の推進、利活用の推進、除却支援を空き家対策の3つを柱に、適正に管理されていない空き家等の抑制や空き家の有効活用に努めてまいります。
 また、空き家バンク制度の運用に関しては、田舎暮らしを希望する都市住民からの問い合わせがあり、賃貸や売買として成約する物件も出てまいりました。今後は、空き家バンクへの登録を所有者に促すなど、空き家の有効利用に努めてまいります。

 

「就労対策・企業支援と戦略的な取り組みによる町民所得の向上」

 次に、重点施策として位置付けた1点目の「働く環境の充実と町民所得の向上」に関する取組を含め、各産業の振興について申し述べます。

 雇用対策では、地元企業と新規高卒者とのマッチングを促進する合同企業説明会を行い、地元企業の魅力を発信するとともに新規高卒者の地元定着に結びつける取組を引き続き行ってまいります。
 また、製造業の設備投資を支援し、雇用の安定確保を図るための地域活力創生事業やがんばる企業・人材育成支援事業を継続し、雇用の場の確保に努めるほか、新規学卒者及びU・Iターン者が正職員として就職する場合の支援制度である若者定住応援プログラム交付金事業についても、顕著な成果が表れていますので、引き続き実施し若者の定住対策をより一層進展させてまいります。

 農業分野においては、さらなる新規就農者の確保に向けて、これまで同様、国の支援制度に町独自の支援事業を組みあわせ、就農初期段階の経営安定化を図るための支援を継続してまいります。また、町の重点振興作物であるトマト、アスパラガス、花卉の生産性を向上させる支援制度を継続し、山間高冷地の冷涼な気候を生かした付加価値の高い農作物の生産拡大と農業所得の向上に取り組んでまいります。
 稲作においては、50年近く続いた国による米の生産調整が平成30年産米から廃止され、「生産数量目標」が示されなくなりますが、本町としましては、過剰作付けによる米価下落を考慮し、平成30年産以降も「生産数量の目安」を示していくこととし、引き続き、備蓄米等への作付け誘導により需要に応じた米の生産を推進してまいります。
 また、生産調整達成者に交付されていた米の直接支払交付金も廃止されることから、稲作農家の収入減少を緩和するため、主食用米、備蓄米を20アール以上作付けした稲作農家を対象に、町独自の支援策を稲作農家支援事業として平成30年度限りの時限措置として実施いたします。
 さらに、高齢化や担い手不足、耕作放棄地の増加などの人と農地の問題解決に向けて、集落や地域の5年後、10年後を見据えた話し合いを重ね、「人・農地プラン」を推進するとともに、本年7月から法律改正に伴う新しい農業委員会制度に移行し、農地利用の最適化の推進を図ってまいります。
 農業基盤の整備においては、県営中山間地域総合整備事業により、農業用用排水施設や農道整備を行うとともに、田部地区のほ場整備に関しては、経営体育成基盤整備事業により円滑な事業推進に努めてまいります。
 また、田島地域の荒海地区や桧沢地区、南郷地域の鴇巣地区からもほ場整備の要望があり、今後の町農業の大きな課題である担い手の確保と規模拡大による農業経営の長期安定化を図るため、積極的にほ場整備に取り組んでまいります。
 野生鳥獣による農作物への被害防止については、野生鳥獣の生態の把握に努め、被害防除対策への支援、さらには有害鳥獣の個体数調整を強化し、被害の縮減に取り組んでまいります。また、耕作者及び集落で進める防除費用への支援を継続してまいります。

 林業に関する施策としては、昨年4月28日に選定された林野庁の林業成長産業化地域創出モデル事業を核とし、素材生産量、森林認証林、林産業関係従事者の増加という3つの目標を掲げ、素材生産者から加工事業者までの多くの関係者が連携し、目標の達成と「木の町」復活に向けた取組を重点的に行うため、役場の組織改編を行い農林課の中に「林業成長産業化推進室」を設置し、森林資源の有効活用と雇用の創出のため事業の推進にあたってまいります。間伐材の利活用による森のエネルギー創出事業や林産業人材育成支援事業を引き続き継続するとともに、新たな事業として町産材使用新築住宅等補助制度を実施し、より一層の森林・林業の振興と地域経済の活性化に取り組んでまいります。
 さらに、東京オリンピック・パラリンピックにおいては、町産森林認証材が活用されるよう積極的に取り組み、本町の森林資源の魅力発信とブランド化を図ってまいります。
 また、森林資源は人と自然の共生にも重要な役割を果たしていることから、美しい景観づくりの一環としてヤマザクラ一万本の里づくり事業を継続し、本町の魅力アップを目指してまいります。

 商業の振興に関しては、プレミアム商品券発行への支援を継続し、消費喚起による地域経済の活性化に努めてまいります。また、中心市街地の空洞化対策と町内の賑わいづくり対策として、ビジネスチャレンジ支援事業を継続し、新規創業を目指す方への支援を行います。

 観光誘客対策では、本町を訪れていただくための観光誘客活動、訪れた方へのサービスを提供する受け入れ態勢の整備、さらにそこに携る人材の育成を目指しています。そこで、福島県観光づくり事業を活用し、人と自然が輝く観光地域づくり事業として地域の課題であるインバウンド対策、情報の発信について議論を進めてまいります。特に、情報発信を重要施策と位置付け、プロモーション映像を作成し、教育旅行の誘致活動や東京オリンピック・パラリンピックを見据えた外国人の誘客対策の足掛かりを付けてまいります。
 特急リバティ会津を活用した誘客対策として、南会津ぶらり旅二次交通対策事業や南会津魅力発信創出事業を実施し、魅力ある旅行商品や二次交通の充実に努めるとともに、南会津の地酒で乾杯!プロジェクトと連携し、会津鉄道株式会社が会津田島駅で実施する地酒を活用した誘客事業を支援してまいります。

 東日本大震災・福島第一原子力発電所事故により大きな打撃を受けた、観光・宿泊事業の活性化に関しては、教育旅行の誘致や農家民泊の拡大、さらには、合宿誘致事業を積極的に展開するとともに、本町の地域資源の活用とイベント等を効果的に組み合わせ、観光交流人口の拡大を目指してまいります。また、冬期間の教育旅行等の団体の受入れ拡大を目指して、地方創生拠点整備交付金を活用して整備したたかつえスキー場第2レストハウスをグリーンシーズンの教育旅行や合宿等でも活用することで、さらなる交流人口の拡大に結びつくよう努めてまいります。

 尾瀬国立公園の特別保護地区に指定されている田代山は、頂上部に高層湿原が広がる美しい自然が特徴であり、貴重な自然資源を求め多くの登山者が訪れています。この貴重な自然資源を活用して、地域振興、交流人口の増加に結びつくよう環境保全に力を入れるとともに、魅力の発信に努めてまいります。

 新たに整備された小豆温泉窓明の湯は、地域住民の憩いの場、交流の場として活用が図られるほか、山岳観光者や伊南クロスカントリーコースに訪れた方の利用が図られるよう地域資源の魅力発信に努めてまいります。

 さゆり荘建替え計画については、議員各位並びに地域のご意見を聞きながら基本設計及び実施設計に着手し、地域の振興に結びつく施設を目指し事業を進めてまいります。
 また、町の観光に係る第三セクターについては、効率的、効果的な会社運営を目指し、観光誘客と雇用の確保、地域経済への波及効果が得られるよう、統合に向けた協議を関係機関等と進めてまいります。

 

「誰もが健やかで安心して生活できる環境づくり」

 次に、重点施策として位置付けた2点目の「福祉と子育て環境の充実」に関する取組を含め、個別事項の重点施策として位置付けた「安全安心な地域づくりへ向けた防災体制の充実」への対応、さらに誰もが健やかで安心して生活できる環境を目指すための、保健・医療・福祉サービス、公共交通等の充実について申し述べます。

 少子高齢化の進展に伴い、地域医療の果たす役割はますます重要となってきております。その核となる県立南会津病院は、救急告示病院・へき地医療拠点病院として、南会津地方にとってなくてはならない医療の中核を担う機関でありますが、医師や看護師の確保、診療科目の充実が大きな課題となっております。町といたしましても、引き続き、郡内各町村と連携を図りながら、急務となっている産婦人科医や精神科医の確保、さらには、眼科、麻酔科の常勤医師配置と医療機能の充実に取り組んでまいります。
 また、恒常的に不足している看護師確保のための帰郷支援事業を継続し、これまでの看護資格取得奨学金貸与事業と併せて人材の確保に努めてまいります。

 国民健康保険事業は、4月1日より財政運営の責任主体がこれまでの市町村から福島県へ移行することとなります。しかし、保険証の発行や保険税の賦課徴収など、住民に身近な業務については引き続き町が担うこととなりますので、制度改正への適切な周知に努めてまいります。

 障がい者福祉の充実では、平成30年度策定の第4期障がい者計画、第5期障がい者福祉計画を基本に、障がい者や障がい児の方々が、自立した生活ができるよう日中活動の支援の場や精神障がい者社会復帰相談指導事業、外出時の支援をするための移動支援事業など継続的なサービスの提供に努めてまいります。また、障がい者の意欲と能力に応じて職業生活を設計・選択できるように、相談支援事業所や就労継続支援B型事業所と連携し、就労への移行と継続のための支援体制づくりを目指してまいります。
 このほかにも、相談支援体制の充実を図るとともに、地域社会の障がい者等に対する理解を深めてもらうことが、障がい者の社会参加や社会復帰の向上につながることから、関係機関で構成する自立支援協議会を窓口としながら啓発活動の強化に努めてまいります。

 また昨今、地域社会の中で孤立し、社会活動ができない「ひきこもり」が問題化していることから、ひきこもり対象者を把握し、訪問・訓練・社会復帰へのサポート体制づくりのため、ひきこもり者社会復帰支援事業を新たに実施してまいります。

 高齢者福祉の充実では、一人暮らし高齢者等が在宅で安心して暮らし続けられるよう、緊急通報システムによる安否確認や困りごとに対する相談窓口の開設のほか、高齢者見守り支援事業による在宅訪問活動を実施し、見守り体制の強化と高齢者の声に寄り添える在宅福祉サービスを展開していきます。
 また、人生100年時代を見据え、高齢者が活躍できる地域社会の整備のため、シルバー人材センターや老人クラブと連携を図り、就業の機会や生きがいづくりに努めてまいります。
 なお、高齢者の心身の健康増進及び閉じこもりの解消を図るため、町内の温泉施設を利用する際の費用の一部を助成する、元気でゆうゆう温泉等利用助成事業を継続し、元気高齢者がいつまでも元気に生活していけるよう支援してまいります。また、まちなか高齢者居場所づくり交流サロン運営事業により、中心市街地在住の高齢者が生き生きと暮らせるよう生きがいづくりにも取り組んでまいります。

 平成30年度より「すべての町民が互いを思いやり、安らぎと活気に満ちた高齢期を過ごせるまち」を基本理念に、第7期介護保険事業計画がスタートいたします。計画では、高齢者が要介護状態になっても可能な限り住み慣れた地域で継続して生活ができるよう、「医療・介護・予防・生活支援・住まい」のサービスを一体的に提供していく「地域包括ケアシステム」の構築を図ることとしております。特に認知症対策では、認知症の人やその家族に係わる認知症初期支援チームと認知症サポーターや認知症カフェの活動により、早期発見・早期対応に向けた体制を整備いたします。さらに、今後、自身の財産管理等ができない状況になる認知症高齢者等の増加が見込まれることから、新たに成年後見制度利用促進基本計画を策定し、権利擁護者の早期発見と支援及び相談・対応体制の整備、並びに意思決定支援・身上保護を重視した成年後見体制の整備により認知症高齢者の生活支援を図ってまいります。このほか、専任の保健師による介護予防啓発事業と介護予防ボランティアによる介護予防体操の普及を推進し、地域たすけあい制度や生活支援体制整備事業を通して地域と一体となった介護予防に取り組むこととしております。

 健康づくりの推進では、生活習慣病の早期発見、早期予防に努めるとともに、健診結果に基づき重症化予防のための個別指導に取り組むほか、地域の食材を生かした食育や食生活習慣の改善指導、健康増進につながる運動等を奨励してまいります。また、これまでの成人病検診に加えて、新たながん検診項目として胃内視鏡検査を取り入れ、がんの早期発見に重点を置いた対策により、引き続き「元気で長寿」のまちづくりを進めてまいります。

 子育て環境の充実については、子育てに対する不安を抱える方が、気軽に安心して育児相談ができるよう南会津町子育て世代包括支援センターを設置しましたが、引き続きワンストップでの相談ができる体制の充実を図ってまいります。
 また、育児に対する経済的な負担の軽減を図るために、18歳以下の子どもの医療費の全額助成、5歳児の保育料・幼稚園授業料の無料化、子育て支援枠のプレミアム商品券の発行、子育てスマイル支援事業を継続するほか、育児負担の軽減を図るために、児童の居場所づくりのための放課後児童対策事業、学校などを利用した放課後子ども教室など、子育て世代の支援を切れ目なく継続して実施してまいります。

 妊娠・出産への支援については、妊産婦の健康診査費、不妊不育治療費の助成や妊産婦の医療保険適用医療費の一部負担金を全額助成する妊産婦医療費助成制度を継続して実施し、安心して妊娠・出産ができる環境を充実してまいります。また、産後の母子に対して心身のケアや育児のサポート等を行い、産後も安心して子育てができる支援体制のため、新たに産後ケア事業を開始いたします。

 児童の保育に関しては、町立及び私立の5施設で多様な保育が行われております。保育の継続性の確保はもとより、サービスの向上が図られるよう児童、保護者の立場に立って対応してまいります。

 人口減少対策では、若者が定着し、結婚しやすい環境づくりや結婚を応援する体制を整えることが重要であります。本町で活動する縁結びサポーターと連携し、結婚へと結びつくよう、さらなる縁結びサポーターの体制充実に努めるほか、若者に出会いの場を提供する出逢いフェスタ事業を継続して実施し、若者の出会いの場の提供に努めてまいります。
 また、結婚による新生活の経済的支援を行うため、結婚新生活支援事業を継続してまいります。

 防犯・防災体制の充実については、地域防災計画に基づき南会津町防災訓練を実施するとともに、各集落単位での災害時避難計画の策定を推進し、住民の安全・安心に努めてまいります。また、消防車両整備計画に基づき、小型動力ポンプ付積載車2台を更新し、非常備消防力の充実に努めるとともに、広域消防署新庁舎建設事業が平成30年度と平成31年度の2か年事業として本格的に着工いたしますので、消防本部と連携し、より一層の地域防災体制の充実を図ってまいります。

 公共交通対策では、昨年4月に運行が開始されました特急リバティ会津は、首都圏と会津地方を直通で結ぶ重要な交通手段であり、関係市町村や関係団体と連携を図りながら、利用促進に向けた取組を展開してまいります。また、平成30年度には、会津鉄道株式会社、野岩鉄道株式会社それぞれが平成31年度以降の新たな経営健全化計画を策定することとなりますので、両鉄道の効率的な運営について関係機関と連携し、利用促進に結びつけた取組と健全な経営に向けての取組へ支援を行ってまいります。
 また、広大な面積を有する本町では、特に高齢者等の交通弱者にとって、移動手段としての生活路線の確保は必要不可欠でありますが、バス利用者は年々利用実績が低下している現状もあります。利用者減少と経費負担をどうするか、抜本的な見直しが求められておりますので、地域住民の声を聞き、地域公共交通網形成計画及び地域公共交通再編実施計画を策定し、新たな運行形態の検討を進めてまいります。

 

「次世代の地域を担う人材の育成」

 次に、次世代の地域を担う人材の育成、教育・文化の振興策について申し述べます。

 人材の育成では、南会津町教育大綱の理念「次世代の地域を担う人材の育成」を柱とし、「自ら学ぶ人を育む。町を愛し思いやりのある人を育む」ことを目指し、若者の郷土意識の醸成、まちづくりへの参画を促進する南会津ワカモノ会議、地域づくりのリーダーを育成する地域づくり人財育成事業を継続して実施してまいります。

 学校教育の分野では、引き続き地域の自然や文化、そして、人材等の活用の充実を図り、郷土理解や郷土愛の醸成に努めてまいります。また、英語が話せる人材の育成においても、引き続き中学校での学習サポート事業を継続し、それを軸として幼稚園、小学校・中学校・高等学校の各発達段階に応じた英語教育を推進し、広い視野と国際感覚を身に付けた将来を担う児童生徒の育成に取り組んでまいります。
 また、他地域での体験から郷土を考えることや、町の子供たち同士の交流を深めることを目的として実施している小学生農山漁村交流事業の継続や、高度化する情報社会における情報活用能力を養うため、インターネット環境のさらなる充実等により、ICT活用教育の推進に取り組んでまいります。
 さらには、児童・生徒が学校や日常生活で抱える悩みなどのケアを行うため、引き続きスクールソーシャルワーカー及び特別支援教育支援員を配置し、学校と家庭、地域との連携を強めながら支援してまいります。

 特別支援学校の設置については、これまで郡内への設置に向けた要望活動を行ってきましたが、福島県では南会津地域への特別支援学校設置の方針を示しました。町は、南会津町内への設置に向けて地域や保護者と連携し、早期実現に向けた取組を行ってまいります。

 食育の充実では、伊南学校給食センターが老朽化しているため、新給食センターの建設に着手し、美味しく安全安心な学校給食の提供ができるよう努めてまいります。

 現在、福島県学校教育審議会では、人口減少を見据えた今後の高等学校の在り方について検討が行われており、県立高等学校改革基本計画の策定が進められています。本町にある田島高等学校及び南会津高等学校においても、今後の存続等にも関わってくる改革であると認識しており、過疎・中山間地域の学習機会の確保と教育環境の向上が図られるよう働きかけを行ってまいります。
 田島高等学校及び南会津高等学校では、それぞれの特性を生かした学校運営がなされておりますが、生徒数が減少する中で厳しい運営環境にあります。南会津町まち・ひと・しごと創生総合戦略に掲げた「南会津人を育む」の実践として県立高校魅力化事業を実施しており、平成29年度より英語教育等による魅力化に取り組んでおります。今後も、地域、関係機関と連携を図り、運営環境と魅力化向上に取り組んでまいります。
 さらに、福島大学が2019年春に開設予定の仮称であります食農学類で取り組む「農学実践型教育」の初期集中プログラム活動拠点の一つとして本町が選定されました。これを機に、田島高等学校にある農林業施設の利活用や学生との交流など、福島大学との連携により新たな魅力づくりが期待されますので、関係する組織や団体に要請してまいります。

 生涯学習の充実では、今後も放課後子ども教室の充実、家庭教育講座などの実施により、子育て環境の充実と地域教育力の向上を図ってまいります。また、町民ニーズに合った文化講演会や公民館講座の開催、スポーツ活動の支援等を行い、町民の心の豊かさや充実感向上のための取組を推進してまいります。
 生涯スポーツの確立に向けては、継続的なスポーツ・運動活動を推進し、町民の健康保持に努めてまいります。5月には、そのシンボル事業としてチャレンジデーに取り組むとともに、各種大会の実施や地域スポーツ指導者の育成に努めてまいります。
 また、東京オリンピック・パラリンピックを見据え、アルメニア共和国レスリング競技の事前合宿誘致活動を行ってまいります。事前合宿地に選定されることで、町内のレスリング競技人口のすそ野を広げ、全国で活躍できる人材の育成、さらには町民との交流により、地域の活性化が図れることが期待できることから、関係団体と連携し、誘致に向けた活動を積極的に行ってまいります。

 芸術文化の振興、貴重な自然遺産と文化の保存・伝承については、文化ホールにおける質の高い公演事業や町民参加型の芸術文化活動を支援するとともに、関係団体と連携を図りながら、田島衹園祭屋台歌舞伎をはじめ先人から受け継がれてきたかけがえのない民俗芸能や伝統文化の保存伝承に努めてまいります。

 天然記念物駒止湿原では、町道東106号線の災害復旧工事が完了していないため、来訪者が自由に湿原に立ち入ることができない状況が続いており、ニホンジカの生息域が拡大しています。近年は、ニホンジカによる貴重な湿原植物の食害が増大し、生態系全般への影響が危惧されています。ニホンジカを湿原内に侵入させないようにするため、防鹿柵の整備を進め、貴重な湿原の保護に努めてまいります。また、前沢曲家集落に関しては、修理・修景事業を実施するほか、保存計画に掲げられている取組を推進してまいります。

 

「町民と行政との協働によるまちづくりと未来を拓く行政経営」

 次に、重点施策として位置付けた3点目の「地域力の向上」に関する取組を含め、町民と行政との協働、未来を拓く行政経営について申し述べます。

 人口減少と高齢化に伴い、地域コミュニティ機能が低下していることから、町民と行政が協力しあって協働のまちづくりに取り組むことが求められ、「みんなの力は地域の力、みんなで創る協働のまちづくり宣言」を行いました。この宣言を着実に推進していくことで、町民が主役となり、住みよいまちづくりにつながるものと確信しております。集落支援員制度、集落担当職員配置制度及び地域おこし協力隊制度と、町の特色ある事業の一つとして実施してきております集落応援交付金事業等との連携を図り、町民と行政の協働による地域の活性化に取り組んでまいります。

 人口減少対策の重要事項と位置付けております定住対策プロジェクトに関しては、仕事と住まいがキーポイントとなることから、農業及び林業による職の創出や空き家バンク制度を活用した住居の斡旋に努めるほか、新規事業として南会津町定住促進すまいる補助金制度を新設し、定住者に対する住宅取得への支援を行ってまいります。また、首都圏における相談会での情報発信や移住から定住につなげるような相談等の支援体制の充実を図りながら、U・Iターン者の確保に向けた取組を進めてまいります。
 さらに、ワカモノ会議や帰郷支援事業を継続し、積極的に町の情報提供を行いながら郷土出身の若者を中心とした「つながり」づくりを推進することにより、Uターンへの誘導を図ってまいります。

 市町村合併に伴う財政措置の縮減や、限られた職員数の中で町民の負託に応えるまちづくりを推進するためには、町の最上位計画であります第2次南会津町総合振興計画後期基本計画に掲げた施策を効率的に実施していかなければなりません。
 そのためには、施策の目的に基づき、事務事業の妥当性、有効性について検証し、スクラップアンドビルドを実行していかなければなりませんので、これまで進めてまいりました行政評価制度を効果的に運用してまいります。また、行政改革大綱に基づくアクションプランを着実に実行し、進行管理を行いながら行財政運営を進めてまいります。

 町税及び各種使用料等の滞納対策については、庁内滞納整理対策委員会を中心とする情報の共有化と各課連携により、その成果が表れてきております。引き続き休日納税相談の実施など徴収・相談体制の強化を図り、きめ細かな対応と未納者との信頼関係を構築しながら徴収率向上を目指すとともに、債権管理の一層の適正化を図り公正な行政運営を行うため、新たに債権管理条例を制定し、今まで以上に滞納対策に力を注いでまいります。また、新年度は家屋内部調査を実施し、公正な賦課業務を進めてまいります。

 公共施設等総合管理計画が策定されたことに伴い、新年度では各施設等の個別計画を策定し、中長期的な維持管理・更新等を定め適切な公共施設の維持管理に努めてまいります。
 役場庁舎については、事業最終年度として来客用駐車場・駐輪場等の整備を行い、来庁者の利便性の向上を図ってまいります。

 

むすびに

 以上、平成30年度の町政運営の基本方針と主要施策の概要について申し述べました。

 私は、町民の皆さまとの対話を重視し、地域の声に耳を傾け、町民と行政が信頼で結ばれたまちづくりを進めることが極めて重要であると認識しております。私の政治信条である「公平・公正・誠実・思いやり」を貫き、「町民の皆さまが主人公となり、住んで良かった町、住みたい町」を創るため、平成30年度は将来を見据えた「まちづくり元年」と位置づけ、皆さまとともに総力を注いでまいります。

引き続き、町民の皆さま、議員各位におかれましては、町政運営に対するご理解とご協力、ご支援を賜りますよう重ねてお願い申し上げまして、私の所信とさせていただきます。


南会津町長 大宅 宗吉

 



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